2022/06/05

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なぜ私はビーチサッカーをはじめたのか。
午前、ビーチサッカーの練習会。
今日は久々にビーチサッカー初体験の小学生が参加。
3時間ばかり、楽しくボールを蹴りあった。
ゾンネの参加人数は少なめではあったが、こういう日もリフレッシュできて良い。

午後は帰宅すると、このところ、連日ハードスケジュールだったので、常に泳いでいないと死んでしまう「マグロ人間」の私もさすがに疲れ果て、リビングでゴロゴロしながら、NETFLIXを鑑賞していた。笑


ビーチサッカーと出会って7年が経ち、自らも本格的にビーチサッカーをプレーするようになって2年が経過した。
以前はサッカー未経験のど素人ということで、全く自信のなかった監督業も最近は板についてきていると自ら思ったりしている。

そんな私がなんでビーチサッカーをはじめたのか。
それにはいくつかの理由がある。

1.地元に新たなビーチ文化の発信基地をつくりたい。

2015年、当時オルカ鴨川FCのフロントスタッフを務めていた時、幕張ビーチで年に一度行なわれていたビーチフェスに、よしもとのサッカー芸人軍団とのビーチサッカーのエキシビジョンマッチにオルカが招待されたことがビーチサッカーとの出会いのきっかけである。

当時このフェスの中心的な役割を果たしていた、関東ビーチサッカー連盟でも理事長を務めた方と打ち合わせた際、ビーチサッカーのことをいろいろと教えてくださり、その中で、海外では専用のビーチコートが整備され、さらにその周辺にはバーなどが並び、人々がお酒を飲みながら、DJ・音楽付のビーチサッカーを楽しむ文化がある、というお話しを聴き、想像しただけでワクワクした。日本にそんな場所はなく、ビーチが地域資源である鴨川市にそんな空間をつくり、スポーツとエンターテイメント、観光・商業などが融合した新たなビーチ文化の発信基地を創造できたら、どんなにおもしろいプロジェクトになるだろう。
地域のためにもなる!と思ったのだった。

まずはそれが、私がビーチサッカーに魅せられた原点であり、いまでもその夢は持ち続けている。

2.ライフスポーツとしての魅力

2015年にビーチサッカーと出会ってから、オルカ鴨川FCにビーチサッカーのカテゴリーをつくろうと考えていたが、当時、まだまだオルカはできたばかりのクラブであり、それこそ、サッカーのカテゴリーでまずはなでしこリーグ1部を目指していかなければならなかったこともあって、ビーチサッカーどころではなかった。
オルカでのカテゴリー新設はあきらめざるを得なかった。

2017年、前出の幕張ビーチフェスに再びオルカ関係者が招待された際、そこで出会った方を頼りに、2018年、オルカのフロントを退任後、私は自分自身で女子ビーチサッカーチームを立ち上げようと動き始めた。
JFAハウスにも赴き、JFAのビーチサッカー担当につないでもらい、日本ビーチサッカー連盟の専務理事とも打ち合わせ、チーム創設の意思を伝えた。
ちょうど2019年初頭に、国内女子ビーチサッカーでは初めてとなる公式戦の開催(地域女子チャンピオンズカップ)を沖縄県で予定しており、チームをつくるには良いタイミングだというお話しもいただいた。

2018年5月、お台場ビーチで行われた「JAPAN BEACH GAMES」のイベントで東京レキオスの女子チームとエキシビジョンを行ったのが最初の活動日だった。
ゾンネの選手はまだおらず、いろいろな人のつてで、集まってもらった。

2018年の後半、2019年3月に行われた第1回地域女子チャンピオンズカップに向けて、選手を徐々に集め、横浜市瀬谷にあるTAKAフィールドで行なわれていたビーチサッカークリニックに参加し始めたのが、私が初めてビーチサッカーをプレーするきっかけとなった。
ただ、その後はたまにクリニックに参加するくらいで、2019年は選手にチームづくりも任せ、試合以外に現場に出ることは少なかった。

2019年末、主力選手の突然の移籍により、一時チームを解散し、2020年の初めから再起に向けての再構築を始めた。
そして、2020年5月、鴨川令徳高校の校庭に、なんとビーチコートが誕生し、地元に活動拠点ができてから、環境は劇的に変わった。
徐々に地元でも選手が集まり始めたのだ。
その頃から私も練習に足を運ぶようになり、自分もビーチサッカーをプレーしながら、いつしか正真正銘の監督として指導の中心にも立つようになっていった。

自分自身、ビーチサッカーをプレーすることで気づいたことがあった。
それは、確かにビーチサッカーは疲れるが、全身運動でもあり、クッション性のある表面でプレーするため、サッカー選手がよくケガをする膝や足首への負担が少ないということだ。
40代も半ばとなった私にとって、芝生や人工芝、床の上では思いっきり走ることは到底怖くてできないが、砂の上では全速力で走ることができる。このスポーツは我々のような中年以上の年代でもできる、と直感した。

元々、ビーチサッカーはレクレーションから始まったスポーツでもある。
したがって、独特の“ゆるさ”がある。良い意味でも、悪い意味でも。笑
その“ゆるさ”があるからこそ、サッカーのカテゴリーの中では、だれでも比較的ハードル低く取り組むことができる。
生涯楽しむことのできる、ライフスポーツとしての魅力がある。

これは少子高齢化の進む、この地域において、スポーツの力を発揮できるカテゴリーだと思う。

3.選手が復活する場所

サッカー選手の中には、膝や足首などに選手生命にとって致命的なケガを負い、引退せざるをえない選手も多い。
一方、前述したように、ビーチサッカーはケガをしづらいスポーツであり、膝や足首への負担も少ない。そもそも、砂の上での歩行や走りはリカバリートレーニングにも活用されている。つまり、ケガをして引退を余儀なくされた選手たちが、再び復活できる場にもなり得るのだ。

実際、男子選手の中には、ケガでサッカーやフットサルができなくなったが、ビーチサッカーと出会って選手として復活し、活躍している選手も多くいる。
女子選手もこれから増えていくだろう。

そして、ケガだけでなく、スポーツ選手は案外ガラスのハートであり、厳しいレギュラー争いなどで、自分を追い詰め、残念なことにメンタルを壊し、あれだけ大好きだったはずのサッカーを嫌いになり、冗談ではなく、もうボールも見たくない、ピッチに入るのが怖い、という状態にまでなってサッカーから離れてしまう選手も少なくない。
スポーツをやってこなかった私からすると、本当にもったいないと思う。
長い間積み重ねてきたサッカーの能力を、そんな残念な理由で活かせなくなる、辞めてしまうなんて、以前からなんとかできないものか、と考えてきた。

その意味で、ビーチサッカーのもつ“ゆるさ”は、彼ら、彼女らのココロを癒すにはもってこいだし、逆にビーチサッカーはアクロバティックなプレーも多いため、やっても楽しいし、見ても楽しい。もっと言えば、楽しんでいる選手ほどパフォーマンスを発揮し、楽しんでいるチームほど強い世界なのだ。

ビーチサッカーは間違いなく、選手のココロとカラダを復活できる場所になる。

現に、ゾンネにもサッカーを嫌いになり、つらくてどうしようもなくて、サッカーから離れた選手もいる。彼女たちは、ビーチサッカーに触れる前は、ビーチサッカーでも同じことが起こると思い、おっかなびっくりで体験参加する。しかし、1回体験すると、表情も変わる。こんなに楽しいスポーツがあったのか!またやりたい!!うまくなりたい!!!と思って帰っていく。
次からは誘わなくても自分で参加したりする。

ある選手は言っていた。

「いま、ボールが蹴りたくてたまらない」
「練習日が来るのが待ち遠しい。練習に行くのが楽しみでならない」

こんなにうれしいことばはあるだろうか。
少なくともゾンネは選手が再び輝く場所になってきている。
選手というよりも、人間と言った方がいいかもしれない。


長く、アツく語ってしまったが、私はこの思いを胸に、これからもゾンネを続けていく。


[WALK:13053]
ゾンネ、初めての活動日(2018年5月 お台場ビーチにて)


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